平成26年度から看取り介護を開始し、10年目となります。その間、50名を超える方の看取り介護、お見送りを行いました。
看取り介護の導入にあたり、看取り介護を行っている他施設へ研修に行ったり、在宅介護にも携わる当園の主治医から看取り介護を行う心構えや家族の気持ち等の話を聞いたり、終末期に関する勉強会を行ったりと繰り返し研修を行い、知識を修得すると同時に職員の負担・不安軽減にも配慮しながらの開始となりました。
10年が経過し、開始に至る経緯を知らない職員も増え、「看取り介護を行う事への慣れ」が生じていたようにも感じ、このタイミングで介護主任が講師となり介護・看護職員・生活相談員を対象に改めて研修を行いました。
そもそも看取り介護の対象となる方はどんな方なのか?
看取り介護開始の流れは?
園の看取り介護の指針には何が記されているのか?
ご家族に看取り介護の確認をする際のポイントは何か…
食事・水分摂取量が大幅に減少する、体重、活動量(眠っている状態が長くなるなど)が低下してくる等の状態変化があれば、ご家族に来園していただき、主治医より現在の状態、今後想定される経過等を説明し、今後どうしたいのかを確認しています。
経管栄養や胃ろう等の延命処置を希望されるのか、
どこで最期を過ごしていただきたいのか、
病院との違いなど施設でできる事と、出来ない事、
あかり園の看取り介護の体制…
これらを伝え、お気持ちの準備と同時に、今後どうするのかを考えていただきます。
ただ、これはご家族の希望を聞くのではなくて、
「ご本人だったらどう思われるか」を想像して返事をいただいています。
当園では、入園の段階から、「食事が食べられなくなったらどうしたいか」「急変時には、延命処置を行うか」等の意向確認をしていますが、状態が変わられた際に改めて確認をし、今後の事を考えて頂いています。
ご利用者の中には、自分の希望・思いを事前に家族へ伝えたり、文章で残されている方もいらっしゃいますが、ほんの一部の方に限られます。
ご本人に確認できる方は、入園後に職員や家族から確認する事もありますが、特養は重度な方が多い為、ご本人への確認が難しいのが現実です。
ご家族にとって、大変難しい選択となりますが、ご本人のお気持ちに寄り添って考えて頂いています。
ただ、この意向はいつでも変更する事が出来ます。あかり園での看取り介護を選択され、対応を開始した後であっても、「いつでも変更できる」ことをお伝えしています。ほとんどの方はそのままあかり園で対応させていただきますが、これまでに数名、意向を変更され病院に移られた方もいらっしゃいました。
看取り介護を行った後に、お一人お一人必ず振り返りを行っています。この度の看取り介護で感じたことを、今後のご利用者との関わり、次に看取り介護を行う際に活かすように努めています。
看取り介護は、特別な事ではなく日々の関わりの延長線と捉えています。
今後も、一日一日、一瞬一瞬の関わりを大切にしてまいります。
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